ミステリの代表作ともいえる「十角館の殺人」。
クローズドサークル、館もの、本格ミステリといったミステリの面白い要素がつまっています。
ミステリを読みたい方はまずこの作品からがおすすめ!
登場人物も特徴的で読みやすい一冊。
十角館の殺人のあらすじや感想をまとめました。
「十角館の殺人」あらすじ
角島という孤島に十角形の奇妙な館、「十角館」がある。
十角館は角島の「青屋敷」で焼死した建築家の中村青司(なかむらせいじ)が建築した建物。
ミステリ研究部の7人は興味本位で角島にある十角館を訪れる。
一方、本土では元ミステリ研究部のもとに死んだはずの中村青司から手紙が。
十角館では連続殺人をほのめかす奇妙なプレートが見つかり、連続殺人が幕を開ける。
犯人は死んだはずの中村青司なのか。
それとも十角館に殺人犯が潜んでいるのか。
クローズドサークル下で行われる本格ミステリ。
読んでみた感想
十角館の殺人は「本土と島を行き来する物語」です。
下記が目次になります。
- 一日目・島
- 一日目・本土
- 二日目・島
- 二日目・本土
- 三日目・島
- 三日目・本土
- 四日目・島
- 四日目・本土
- 五日目
- 六日目
- 七日目
- 八日目
目次通り、島での出来事と本土での出来事が同時進行で進んでいく物語。
島には十角館があり、本土では別の登場人物が事件の真相を追うという流れになります。
登場人物が特徴的
十角館へ行くメンバーは有名な海外のミステリ小説家の名前で呼び合っています。
一人一人あだ名がついています。
- エラリイ
- カー
- ポウ
- ルルウ
- アガサ
- オルツィ
- ヴァン
本土には元ミステリ研究部のドイルもいます。
有名作家から名前をとっているのは特徴的で面白いです。
また、みんなそれぞれの変わった特徴を持っているので楽しめます。
有名作家があだ名というのも斬新だね!
実はあだ名で呼び合っているのには訳があるんだよ!
クローズドサークル&館ものという超本格派
クローズドサークル中での連続殺人はミステリの中では超手番でかなり面白い設定。
クローズドサークルの意味は下記。
クローズド・サークル(closed circle)とは、ミステリ用語としては、何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品を指す。
Wikipedia
外界から切り離されているため、犯人は警察の介入に恐れることなくじっくりと他のメンバーを追い詰めていく。
集まった人の中には探偵がおり、誰が犯人なのかを現場の証拠をもとに推理。
本格ミステリの度定番がこのクローズドサークル
また、館もののミステリは隠された仕掛けなどを巧妙に使うパターンもあり。
しかし、隠し通路の類は一つの話につき一つまでという掟がある。
あまりに隠されたギミックがあると読者側が推理できなくなるからです。
本格ミステリを楽しむためには読者と探偵と犯人は常にフェアでないといけません。
その面で、十角館の殺人はかなりフェアな作品だと言えます。
超本格ミステリの要素が詰め込まれていて面白い
本格ミステリの醍醐味である「読者が犯人を推理する」という面で、十角館の殺人はすごく面白い作品です。
現在有名な本格ミステリは少なからず「十角館の殺人」の影響を受けたものも多いと思います。
クローズドサークルの代表作と言える作品。
実際に「硝子の塔の殺人」という2021年に発売された本格ミステリの中でも「十角館の殺人」が出てきます。
硝子の塔の殺人はクローズドサークルでの連続殺人で、探偵から刑事や医者など様々な職種の登場人物が。
十角館の殺人も大学生ではあるが、文系、医者の卵、理工学部など様々です。
様々な本格ミステリの起源がこの「十角館の殺人」と言えるでしょう。
十角館の殺人は最後の最後でびっくりな結末が待っています。
硝子の塔の殺人も最後にどんでん返しだったね!
硝子の塔の殺人が気になる方は以下の記事をご覧ください。
まとめ【十角館の殺人はかなりおすすめ!】
十角館の殺人はクローズドサークル&本格ミステリでとても面白いです。
作者の綾辻行人氏は「館もの」を数多く世に排出しています。
どれもおすすめなのでぜひ手の取ってお読みください!
綾辻行人館シリーズ第二弾は「水車館の殺人」です。
気になる方はぜひ!
綾辻行人館シリーズ第二弾「水車館の殺人」
【水車館の殺人】
- 最後の解決編で驚愕の事実が
- 綾辻行人館シリーズ第二弾の本格ミステリ
- 水車の館が舞台
その他おすすめのミステリ
【六人の噓つきな大学生】
- 大学生なら誰もが通る就活でのミステリ
- 駆け引きを最大限に楽しめる
- 最後のほうは感動する作品
- とても読みやすくて読書が苦手な方にもおすすめ!
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